第15回:“ちょうどよくないブス”とは?
この連載では「ちょうどいいブス」について考察してきていますが、そもそも「ちょうどよくないブス」というのは存在するのか、について考えてみたいと思います。
ブスなのに内面が読モ+サブカルは命取り!?
「ちょうどよくないブス」で真っ先に思いつくのが、今の相席スタートの前にコンビを組んでいたときの相方です(笑)。
前の相方は見た目的にはまぁまぁブスだったんですけど(笑)、中身がミーハーでトレンドに敏感な読者モデルかぶれだったり、はたまたほかの人とはちょっとセンスが違うのよと選民意識のあるサブカル気取りだったりしたんですね。
読者モデルかぶれもサブカル気取りも痛いんですけど、その両方の要素を兼ね備えていてなおかつまぁまぁのブス。これはあってはならないことなんですよ!
私は元相方のそういう姿を間近で見てきたので、自分でも無意識のうちにブスがちょうどよく生きるための知恵というか振る舞いを身に着けることができたのかもしれません。
少しわかりにくいかと思うので、例を出して説明しましょう。
好きな街がどこかでもちょうどよさが必要?
たとえば誰かに「好きな街はどこ?」と聞かれたとします。以下の3つの選択肢があったとして、ちょうどいいブスが人に好感度を与えるにはどう答えるべきだと思いますか?
A「代官山」
B「有楽町」
C「東高円寺」
私が考える正解は「Bの有楽町」です。
なぜちょうどいいブスは有楽町を選ぶべき?
まずAの代官山ですが、代官山といえば東京でも随一のオシャレタウンですよね。ちょうどいいブスの私だってもちろん代官山は素敵な街だとは思いますよ。でもね、こんな他人の声が聞こえてきてしまうんです。
それは……「ブスなくせにこんなオシャレな代官山が好きなのかよ」という心の声。
もちろん被害妄想ですけど、こんなふうに思う人もいるかもしれない、という回答は避けるべきだと考えます。
次にCの東高円寺。高円寺といえば言わずと知れた中央線カルチャーの中心地で、サブカル民が生息する街として知られています。これはあくまでも個人的な解釈ですけど、ブスはサブカルに逃げる傾向にあるんです。見た目じゃなく、中身にこそ私の価値があると思わせたい表れなのかもしれません。(もちろんそうじゃない人が大多数ですよ)
サブカル好きをアピールすることで、ブスという個性だけでも十分なのに、そこに何やらもうひとつややこしい個性がプラスされてしまうわけなんです。しかも高円寺ではなく、「東高円寺」となれば、さらに面倒くさいですよね。よってこれもできれば避けたい回答です。
「ちょうどいいブス」が世の中を上手に渡っていく方法はいくつかあるんですけど、今回は「無難であることの重要性」にも注目してもらいたいと思い記事にしてみました。無難=つまらない、と思われがちですけど、そんなことはありません。
どんなことにでも個性を出そうとしすぎると、人から嫌われたり、また本来の自分とは違うキャラクターを演じてしまったりすることもあります。次回もそのへんのことを掘り下げていきたいと思いますのでお楽しみに。
連載を読む方はこちら↓
山﨑ケイさん
profile
NSC東京校 13期生、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のお笑い芸人。
相方の山添寛さんとコンビ「相席スタート」を結成し、男女のちょっぴりエロい日常をネタにしたコントや漫才で人気を博す。
ツイッター https://twitter.com/kbbyky