【逃げ恥、中学聖日記…】ヒット映画&ドラマに学ぶ「最強のモテテクニック」
待ち合わせ直前であいあい傘を描く
〜『ひよっこ』谷田部みね子に学ぶテク〜
★はずかしげもなく、素直にやってしまえるのが魅力
素朴で素直なみね子は、テクニックとして意図してやっていないところがおちゃめなんです。例えば島谷さんとデートをしたとき。彼を待っている間、つい地面に指であいあい傘を描いてしまい、それを見つめているときに島谷さんが現れ…。さりげなく足で消そうとしたら、足がつってしまうみね子が可愛くて!冬場なら曇った窓ガラスに書いても良さそうですね。
『ひよっこ』ドラマ解説
1960年代、奥茨城村の農家で育ったみね子は、父親の失踪事件を機に集団就職で上京。見知らぬ街で仲間と出会い、大学生の島谷と恋をしながら、しっかりと東京に根を張っていく。
Check!02オリジナルの表現で相手をほめる
〜『逃げるは恥だが役に立つ』森山みくりに学ぶ〜
★自分を主体にして彼を褒めると間違いがない
自己肯定感の低い男性に有効だと思うのが、平匡がハイスペック男子の風見を「カッコいい」とうらやむシーン。みくりはわざとらしく否定せず「カッコいい」と同意した上で「私は平匡さんがいちばん好きですけど。しみじみと、しっくり落ちついて」という。オリジナリティーのある言葉でほめるのは、ひとつのテクニックですよね。それも「私は」と自分主体でほめると間違いがない。
『逃げるは恥だが役に立つ』ドラマ解説
職ナシ彼氏ナシのみくりは、プロ独身のサラリーマン・平匡と「仕事としての結婚」をすることに。高学歴で「小賢しい」みくりだけど、平匡と同じ屋根の下で暮らすうちに…。
Check!03上目遣いで強めの言葉をかける
〜『君の膵臓をたべたい』山内桜良に学ぶ〜
★男子の気持ちを振り回す口調と表情のアベコベ感
印象に残っているのは、春樹に「本当に死ぬの?」と聞かれて「死ぬよ」というときの最高に美しい笑顔。心の中と表情がアベコベだからこそ、何を考えているかわからない魅力があるんですよね。他にも、上目遣いであざとく媚びているように見えるのに「キミは」と口調や態度は上から目線。桜良にはさまざまなアベコベ感があって、それが男子を振り回すんだろうなと!
『君の膵臓をたべたい』映画解説
高校時代のクラスメイト・桜良の言葉をきっかけに母校の教師となった志賀春樹。教え子と話すうちに膵臓の病気を患いながら懸命に生きる、桜良と過ごした日々を思い出していく。
Check!04自分から次の約束をする
〜『失恋ショコラティエ』高橋紗絵子に学ぶ〜
★彼に断られてもムッとせず、次の段取りもお膳立て
見た目も言動も異性に舵をきっている潔さ!紗絵子が同性からも憧れられるのは、全力で“モテ”をやり切っているからだろうなと思います。また、彼女はリード上手。デート終盤、家に誘って断られたとき「お仕事の邪魔はできないよ」「今日は楽しかった」「またデートしてくれる?」とたたみかけるんです。これだけお膳立てしてくれたら、誘わない男性はいないですよね。
『失恋ショコラティエ』ドラマ解説
主人公の爽太が高校時代にひと目ボレした先輩、最強天然系小悪魔の紗絵子。爽太は彼女を振り向かせようと一流ショコラティエになり再会するが、思わせぶりな態度に翻弄される。
Check!05受け入れて拒否を繰り返す
〜『中学聖日記』末永聖に学ぶ〜
★無防備さと、相反する潔癖さで彼を混乱させちゃう
生徒から「聖ちゃん」と呼ばれてしまう、いい意味での無防備さ。それでいて近づくと急にシャットアウトする。聖は押し引きの天才だと思います。このテクを応用するとしたら、自分に思いを寄せる相手を1回は受け入れるけど、数日後は「会えない」といってみたり。無防備さと相反する潔癖さで混乱させ、自分のことで頭をいっぱいにさせる。実は聖こそ、最強の小悪魔なのかも。
『中学聖日記』ドラマ解説
婚約者がいながらも、勤務先の学校で出会った10歳年下の教え子・黒岩と話すうちに心ひかれていく女教師・聖。情熱的で真っすぐな黒岩に、許されない禁断の恋と知りながらも揺れ動く。
教えてくれたのは…
田幸和歌子さん
ドラマ評論家。書籍出版社、広告制作会社を経てフリーに。月刊誌、週刊誌、夕刊紙などで執筆する他、著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」「Hey! Say! JUMP 9つのトビラが開くとき」などがある。
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イラスト/AYART MART 取材・文/山口昭子