おりものが臭い!ニオイの原因は病気?対策もご紹介
正常なおりものは少し酸っぱいニオイがする!原因とは?
女性の腟内は有害な雑菌やウイルスを抑えるため酸性に保たれています。そのため、正常なおりものであってもチーズのような酸っぱいニオイがすることがあります。
人によってはヨーグルトや、薄めたお酢のニオイに感じることもあるようです。いずれも健康な状態であるためあまり神経質になりすぎなくても大丈夫でしょう。
おりものが臭い?臭うときの原因と対策4つ
おりものが臭いと感じる原因は主に以下の4つです。
- デリケートゾーンの蒸れ
- デリケートゾーンの洗いすぎ
- ストレスによる免疫力の低下
- 性行為
ニオイの原因に対する対策と共にご紹介します。
デリケートゾーンの蒸れ
おりものが臭いときは、デリケートゾーンの蒸れが原因の一つにあげられます。通気性の悪い下着の着用や、生理中のナプキンのムレ、汗などによって雑菌が繁殖し生臭いと感じることがあるからです。
普段から通気性のよい下着を選んだりナプキンはこまめに取り替えたりするようにしましょう。
デリケートゾーンの洗いすぎ
おりものが臭う原因として、デリケートゾーンの洗いすぎがあげられます。デリケートゾーンは皮脂などの汚れが溜まりやすいためついつい洗いすぎてしまいがちです。しかし、腟内まで洗ってしまうと必要な常在菌まで洗い流してしまい、かえって細菌が繁殖しやすい状態になってしまいます。
そのため、デリケートゾーンを洗う場合には、膣内まで洗わないようにしましょう。また、爪を立てたり、ナイロンタオルを使用したりするのもNG。肌にダメージを与えてしまいます。
ちなみに、デリケートゾーンは強酸性の環境。アルカリ性の石鹸や弱酸性のボディソープで洗うと一時的に酸性度が低くなり、外部の刺激を受けやすくなってしまうため、おりものが臭いと感じてしまうことがあります。そんなときは、pHが近いデリケートゾーン専用のソープを使って洗うのがおすすめです。よく泡立て、指の腹でなでるように外側をやさしく洗いましょう。
ストレスによる免疫力の低下
ストレスにより免疫力が低下すると、腟内フローラのバランスが崩れ、おりものが臭くなることがあります。
軽い運動をしたり、しっかりと睡眠の時間を確保したりすることで、生活習慣が整いストレスを溜めにくくできるでしょう。通気性のよい下着を着用するなど身体的なストレスを減らすよう心がけるのも大切ですよ。
また、女性が特にストレスを感じやすいといわれる4つの時期と、おりものの特徴についてご紹介します。
- 生理前:白濁している、粘り気が強い、量が増える
- 生理後:サラッとしている、経血の残りで多少茶色っぽい、ほぼ無臭、量は減る
- 妊娠中:卵の白身のような透明か乳白色、酸っぱいニオイ、量が増える
- 閉経後:無色透明か乳白色、無臭から少し酸っぱいニオイ、更年期には量が一気に減る
上記の時期は女性ホルモンによって色やニオイに変化が現れます。これら以外に異変を感じた場合は、一度産婦人科に受診することをおすすめします。
性行為
おりものは性行為が原因で臭くなることがあります。
例えば、コンドームをつけずに性行為した場合です。男性の精液が膣内に残ると精液がおりものと混ざり合い、イカ臭さや生臭さを感じることがあるでしょう。
加えて「性感染症」によってかゆみや不妊症などの後遺症の発生の原因になることもあります。性行為をする場合はコンドームを使用することをおすすめします。
また、性行為後はデリケートゾーンを清潔に保ちましょう。シャワーできれいに洗い流すことによっておりものが臭くなるのを防止できますよ。
おりものがイカ臭い・生臭いときは注意!疑われる病気8つ
おりものがイカ臭い・生臭いと感じるときに疑われる病気は主に以下の8つです。
- 水っぽく量が多いときは「クラミジア感染症」
- チーズのようなニオイのときは「カンジダ膣炎」
- 黄緑色で量が多いときは「淋菌感染症」
- 黄緑色で泡状の悪臭が強いときは「膣トリコモナス」
- 魚が腐ったようなニオイのときは「細菌性膣炎」
- 膿のようなときは「子宮内膜炎」
- 水っぽいもしくは膿のようなときは「子宮頸がん」
- 不正出血による褐色のときは「子宮体がん」
ひとつずつ詳しくご紹介します。
水っぽく量が多いときは「クラミジア感染症」
おりものが水っぽく量が多いときは、クラミジア感染症の可能性があります。カンジダ膣炎に感染した場合の特徴は以下の3つです。
- おりものの量が多い、さらさらとした水っぽさ
- 下腹部痛や性交痛
- 排尿痛を感じる
上記に加えて、発熱や骨盤痛などの症状があらわれることもあります。無症状で気づかない場合がありますが、放置してしまうと不妊や子宮外妊娠の原因になる恐ろしい感染症のため、注意が必要です。
クラミジア感染症は性交渉により感染します。治療の際はパートナーと一緒に治療を受けましょう。
チーズのようなニオイのときは「カンジダ膣炎」
おりものがチーズ臭い場合はカンジダ膣炎の可能性があります。カンジダ膣炎に感染した場合の特徴は以下の3つです。
- カッテージチーズのようなポロポロしたおりもの
- かゆみや灼熱感
- ズキズキする痛み
カンジダ膣炎は、ストレスや抗生物質の服用により抵抗力が低下することで発症すると言われています。膣内の常在菌であるカンジダ菌が、異常増殖するためです。
また、性行為によっても発症する恐れがあるため、性行為は完治するまで控えたほうがよいでしょう。パートナーへの感染を防ぐことができますよ。
黄緑色で量が多いときは「淋菌感染症」
おりものが黄緑色で量が多いと感じたら、淋菌感染症の疑いがあります。
淋菌感染症は2〜7日ほどで発症します。外陰部に軽いかゆみや腫れを引き起こすほか、頻尿や排尿痛、不正出血などの症状が見られます。
淋菌感染症は粘膜を介して感染するため、オーラルセックスやアナルセックスによって感染することがあります。感染防止のため、性器以外を使った性行為を行う場合でもコンドームを使用することをおすすめします。
黄緑色で泡状の悪臭が強いときは「膣トリコモナス」
黄緑色で泡状の悪臭の強いおりものがでる場合、膣トリコモナスの疑いがあります。感染すると膿のようなおりものやかゆみ、性交痛の症状が見られます。
膣トリコモナスとは、トリコモナス原虫が寄生することにより引き起こされる感染症で、感染源は主に性行為だとされています。
一般的に性行為後、約1~2週間で発症します。性行為以外に、トイレの便座や濡れたタオル、浴槽などでも感染すると言われています。薬での治療が必要となるため、症状があらわれたら産婦人科での受診をおすすめします。
魚が腐ったようなニオイのときは「細菌性膣炎」
おりものが魚が腐ったようなニオイのときは、細菌性膣炎の疑いがあります。細菌性膣炎に感染した場合の主な症状は以下の4つです。
- おりものの量が増える
- 魚が腐ったようなきついニオイ
- 外陰部の強い痛みやかゆみ、
- 灼熱感
細菌性膣炎とは、主に免疫力の低下による腟内フローラの乱れで発症します。膣内の細菌バランスを保つためには、特定のパートナーとのみ性行為を行うとよいでしょう。
また、性感染症予防のためコンドームの使用や、膣洗浄や子宮内避妊器具の使用を見直すことでも感染を防ぐことができますよ。
膿のようなときは「子宮内膜炎」
膿のようなおりものがでたり、量が多いと感じたりする場合は、子宮内膜炎かもしれません。月経以外の期間に月経痛を感じるほか、排便痛や排尿痛などの症状があらわれます。
子宮内膜炎とは大腸菌やブドウ球菌などの細菌や淋菌が、子宮口から侵入することで引き起こされる病気です。徐々に感染が拡大し、子宮に到達することで発症します。
長時間タンポンを入れっぱなしにて不衛生な状態が続くと感染リスクが上がります。そのためタンポンや下着は清潔に保つよう気をつけましょう。
水っぽいもしくは膿のようなときは「子宮頸がん」
おりものが水っぽくいつもより量多いと感じるときは子宮頸がんの疑いがあります。
子宮頸がんは、異形成の段階ではほとんど自覚症状がありません。症状が進むと、不正出血や濃い茶色や膿のようなおりもの、、水っぽいおりものが出て来たりすることがあります。加えて、粘液がでることもあるとのこと。
さらに症状が進むと、下腹部痛や腰の痛み、血尿、血便などの症状が現れる場合もあるでしょう。
不正出血による褐色のときは「子宮体がん」
月経でない時期や閉経後に出血があるときは、子宮体癌の疑いがあります。おりものに血が混じり褐色になる程度から、性交時、排尿時に痛みを感じる、尿が出にくい、下腹部痛など症状は様々です。
さらに症状が進むと、お腹が張るような腹部膨満感が現れることもあります。症状があらわれたら産婦人科での受診をおすすめします。
おりものが臭いときは蒸れや洗いすぎに注意し清潔に保とう!
おりものが臭いと感じる原因は、デリケートゾーンの蒸れや洗いすぎなど様々です。おりものシートをこまめに変えたり性行為を行う場合はコンドームを着用したりなど適切な対策をとることで、正常な状態を保つことができます。
しかし、なかには重大な病気が隠れていることがあるため、異変を感じたら、速やかに医療機関を受診しましょう。