【髙橋ひかる】幼少期から休養期間までを振り返る。マイナス思考を克服した理由とは?
髙橋ひかる。仕事、人間関係、そして未来を語る
「自分を変えたい」と模索し続けた10代。19才の今、自分らしさをつかみ始めたひかるが率直な言葉で語ってくれた胸の内のこと。
自分を守るための八方美人。嫌われるのが怖かった
モデルとして、女優としてメディアで見る髙橋ひかるは、いつも明るくて笑顔のイメージが強い。ところがひかるいわく、本来の性格はマイナス思考だという。自覚したのは小学校5年生のとき。
「きっと育った環境も影響したんだと思います。地元は自然があふれていてめちゃくちゃ素敵なところなんですが、田舎なので学年にはひとクラスだけ。友達はもちろん親同士もみんな知り合いですごく距離が近かった。
ちょっと人間関係の悩みやグチをこぼそうものなら、あっという間に筒抜けになってしまう。子どもながらに人に嫌われたくなくて、超八方美人でいい子ぶってました。みんなとうまくやっていくためには、誰にも深入りせず、自分をさらけださない。母からは『真顔が怖い』と言われたこともあって(笑)。
それに5才上の姉の存在も大きくて、お姉ちゃんはいわゆる陽キャな人。友達に好かれる人気者で、ルックスも目がぱっちりしていて可愛いし、身長もちょうどいい......。私は陰キャだし、背も高すぎるし、私とは全然違うじゃんってコンプレックスを感じていました。
姉と比べて落ち込むのに、そのわりに姉のマネばっかりしていた時期でしたね。でも、段々とマネすることにも飽きてきて、中学生になるころには自分の考え方を変えていきたいなと思い始めたんです」
所属事務所のオーディションでグランプリを受賞したのが中学1年生のとき。最近になって、当時の自分のインタビュー動画を見る機会があったという。
「自分としては、中学生になって性格が明るくなり始めたつもりだったけど、小学生のころのなごりがまだまだあってすごく不自然な私がいました。今の自分と違いすぎて鳥肌が立つくらいびっくりしたんです。引っ込み思案だし、何も知らない子どもって感じで。なんて言えばいんだろう?ピュアすぎるというか。そういう性格だから表情も豊かじゃなくて、笑顔も得意じゃないし。
根暗な部分が世の中にあまり知られてないのは、やっぱり無理をして明るく振る舞っていたからでしょうね。ポジティブな自分になりたくて。ただ、今は心の底から笑えているし、楽しいと思うときにしか笑ってない。私、無理してないなって自分でも思えるんです。素のままでいられる心地よさがあるし、すごくラクになれた」
何をやっても評価されるなら、自分のやりたいように
大きな変化は急激に訪れたわけじゃなく、13才から現在に至るまで6年間かけてコツコツと積み重ねてきたもの。
「何か転機があってガラッと変わったというより、経験と周りの人からの声によって少しずつ。仕事においては、それこそ一番そばにいてくれるマネージャーさんが『その考え方じゃなくていいんじゃない?』と、マイナスに向かいそうなときに気づかせてくれる。
内面については母によく相談しますね。半年に一回くらい、自分が学んだことやそこで感じたことを『どう思う?』って母に聞いてみる。たいていは大人としての考え方や礼儀、マインドの持ち方について。親なので、思ったことをハッキリ言ってくれるのですごく助かっています。
例えば、SNSで誹謗中傷されたとして、そこに対してどんな考え方で向き合うのか。以前の私は、みんなに理解されたくて苦しんだけど、中傷する人に理解してもらおうと思っても難しいこと、同時にひとつのことに対していい意見があれば否定的な意見があること、そして評価される仕事に携っている限り仕方のないこと......。
いい意味で割り切ることで、メンタルが傷ついたり、折れるのを回避できるようになれた。今はどんな仕事でも表に出る限り評価されることには変わりないから、だったらとにかく自分がやりたいように楽しくやっていこうと。みんなに好かれようだとか、求められる髙橋ひかるでいなきゃいけないんだとか、勝手に縛られていたけれど、それがだいぶなくなったなと思います。
人を傷つけたくないっていうのは今もなんだかんだあるので、うまい断り方とか距離の取り方を見つけるのが次の課題ですね。それに、人の言葉を受けて自分を変えていくことが多いので、誰を信じるかのジャッジがすごく大事になってくる。立場やキャリアではなく、その人の考え方を見つめられる自分でいたい。
尊敬できる人の言葉を大事にする―。そう自分の中でひとつ基準を持てたこともすごく大きいです。昔は人の言葉を全部受け入れてしまって、浮き沈みが激しかったけれど、今は軸があるからわりとフラットでいられる。振り回されちゃうと疲れちゃいますからね」