【杉野遥亮】が時代劇デビュー!話題の塩顔イケメンの素顔とは?
不安だらけの時代劇デビュー
映画『居眠り磐音』は僕にとって初めての時代劇です。正直、撮影当初は不安ばかり感じていました。江戸という時代の人間として、自分はちゃんと立っていられるのか。物語の起因となる河出慎之輔、そんな男に自分がなれるのか…。殺陣や所作も教わったんですが、最初はまったくついていけなくて。現代とは歩き方も違うし、僕は身長が185㎝ということもあって「くぐり方これで合ってるのかな?」とか、いちいち心配になって。あと、ロケバスの中で髷まげがどこかにぶつかると、一気にまた1時間前に巻き戻しで、やり直しになっちゃうんです。あの時代を生きるのは大変でしたね(笑)。毎日が自分との戦いでした。
でも、そんな不安をぬぐってくれたのが主演の松坂桃李さん、柄本佑さんの存在です。松坂さんはこの作品を背負う覚悟が、主人公・磐音の生き方ともリンクして見えて。頼もしかったですし、みんなを笑顔にするような座長でもあって、カッコいいなと再認識しました。柄本さんとは対峙するシーンがあるんですが、スゴイのひと言です。僕にカメラが向いているときも100%でやってくださってましたが、カメラが柄本さんに向いたら120%が出てくる感じ。うわっ!と一瞬我に返りそうなくらい、ビックリしました。
悔しい思いが財産に
自分のはるか先を行く先輩方の背中を見て悔しい思いもあったんですが、それが「また時代劇にチャレンジしたい」という思いにもつながって。自分の財産となる作品になりました。時代劇っていうと足を運びにくいところがあるかもしれないけど、僕はそれがすごくもったいないなと思うんです。完成作を観たとき、この世界観に没入できることが心地よかったんですよね。磐音の生きざまを見ていると、ジェットコースターに乗っているような気分で楽しめて。頭で理解するより先に心が動く映画だと思うので、読者の方にも軽い足取りで映画館に向かってほしいなと思います。
僕にとってのヒーローは父親
この作品は磐音というニューヒーローを描いていますが、僕にとってのヒーローは父親になるのかな。自立するまでは父親に反抗したり、イライラすることがよくあったんですけど、やっぱり父のいうことって正しくて。たとえば高校受験のときは「過去問を10年間分ひたすらやれ」って具体的な体験談を話してくれて、その通りにしたら受かったんです。尊敬できるなって、今だからこそ思いますね。ま、本人にはいわないですけど、絶対に。これ父親には読んでほしくないなぁ(笑)。
Check!絶賛公開中『居眠り磐音』
坂崎磐音は故郷で起きた、ある哀しい事件により2人の幼なじみを失い、許嫁の奈緒を残して脱藩。すべてを失い、浪人の身となった。そして江戸で長屋暮らしを始めた磐音は、新貨幣をめぐる陰謀に巻き込まれ、大切な人を守るため悪に立ち向かう。
Profile
杉野遥亮(すぎの・ようすけ)
1995年9月18日生まれ、千葉県出身。2015年、FINEBOYS専属モデルオーディションでグランプリを獲得し、芸能界入り。近年の出演作に映画『あのコの、トリコ。』『L♡DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』など。現在はドラマ『ミストレス~女たちの秘密~』(NHK総合)に出演中。
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撮影/有馬秀星(MOUSTACHE) スタイリング/伊藤省吾(sitor) ヘア&メイク/速水昭仁 取材・文/山口昭子