男女問わず〈ひかる沼〉へ♡【女優・髙橋ひかる】が語るお芝居の魅力とは?
舞台のお仕事で学んだこと
役をじっくりあたためる。その過程もお芝居の魅力
今回のドラマの前にした最後の演技の仕事が、昨年の秋に初挑戦したミュージカル『リトル・ゾンビガール』という舞台。映像作品とはまったく違うお芝居を経験して、女優としてパワーアップしたひかる。
「カメラにどう映っているか、視聴者の方にどう見えるか……。そういう意識を今まで以上に持ってお芝居に挑むことで、女優としてバージョンアップした姿を見ていただけそうです!舞台に挑戦して特に意識が変わったのが、立ち方や動き方なんです。
映像作品だと、わたしが立ち位置を変えなくても、カメラマンさんが回り込んで1番いい画角で写してくれる。それが舞台だと、一定方向から見ている観客の方に対して、いかに魅力的にお芝居を見せるか、いかにわかりやすく演じるか、自分で考えて自分で動かないといけない。
だから動き方が、今までしてきたお芝居の仕方とまったく違ったんです。稽古中に『それは舞台の芝居じゃない!』って何度も言われましたね。
舞台で培った動き方や歩くときの動線の意識を持ちながらも、台詞や表情のお芝居に集中するっていうスキルを、ドラマにも落とし込んでいくのはこの夏の課題のひとつかもしれません」
作品ごとに着実にステップアップし続けているからこそ目が離せない。そんな女優・髙橋ひかるが、この先にめざすものとは……?
「体の動きを使ったお芝居をもっとしたいと思っていて。アクションに挑戦したいんです!わたし身体能力が高いほうではなくて、Rayの撮影の合間とかにふざけてると、まわりのスタッフさんたちに動きが奇妙って言われるんですよ(笑)。
手足の動きがなんか独特みたい。アクションの演技って踊りに近いところがあるイメージで、個人的にダンスのできる人が向いてるんだろうなっていう印象があるんですけど、わたしの動きは踊りみたいななめらかさがないんでしょうね。
アクションのスクールに行って勉強して、体をカッコよく使えるようになりたい!そして動きにフォーカスした役にいつかチャレンジするのが目標です。
あと、舞台の経験でもうひとつ得たことがあって。それが、じっくり時間をかけて作品に向きあって、役を作り上げるという魅力を知ったこと。舞台だと1ヵ月くらいかけて稽古をして、さらに公演ごとにお芝居を繰り返します。
だから何ヵ月も同じ役、同じ演技をするんです。観客の方は毎回違うから、見る人にとっては新鮮なんだろうけど、同じことを繰り返すと自分の中でマンネリ化してしまう感覚があって、それがすごく不安だったんです。
お芝居をしているときの自分の感覚が、よくない意味でこなれてしまうっていう……。でも昨年の舞台を経て、役をじっくりあたためる作業ができるようになりました。
この感覚を知れたことは自分的に大きな発見だったし、女優としての価値観にも影響を与えてくれたと思っています。これからまた、そういう作品との関わり方の経験も積んでいきたい!
テレビドラマと、タイトなスケジュールで撮影することも多くて。そうすると撮影の順序がストーリーの進み方通りじゃなく、バラバラだったりするんです。そういうぎゅっと集中する環境でやるメリットもあるけど、じっくり役に向きあう経験ももっと積みたい。
時間をかけることが多い映画や舞台にも、挑戦するチャンスを増やしていきたいですね。ストーリーや役柄の違いだけじゃなく、お芝居への向きあい方も幅広く経験することで、さらに女優として成長していけるんじゃないかなと思っています。
そうやって、新しい作品に出会うたびに得られる学びを積み上げて、自分なりのお芝居を築き上げていきたいです!」
Check!『ハレーションラブ』
毎週土曜23時30分〜放送中(テレビ朝日系)
亡き父が残した写真店を母と一緒に営む女子大生・深山朱莉(髙橋ひかる)と、2人の男性が出会った頃から街では不穏な事件が続発し、過去の恐ろしい真実があぶり出される!?スリリングな展開に目が離せないラブサスペンス!
撮影/永瀬沙世 スタイリング/稲葉有理奈(KIND) ヘア&メイク/サイオチアキ(Lila) モデル/髙橋ひかる(本誌専属) 取材・文/政年美代子 撮影協力/PROPS NOW、EASE