“ぷりかわ乙女”秋の肖像

大きいリボンにフリル、ピンクやレース…。そこにちょっと背伸びしたリップの色。

少女のあどけなさと、オトナびた表情のあいだで揺れる“イマ”を切り取った、ぷりかわ乙女たちの秋。

甘さの中にほんの少しの切なさを忍ばせて。まだ何者でもないけれど、たしかに変わりはじめている。

そんな移ろいの瞬間を、堪能してください。

少女から大人へ

ソファに沈みながら見ていた映画のヒロインは、深めの色のルージュを塗って、無造作に髪を巻き、知らない誰かの心を奪っていた。

「私もあんなふうに、誰かの特別になれたら」そう思ったとき、胸がちくっとした。だってわたしはまだ、ピンクのグロスしか知らない。

大きなリボンやフリルがなんだかちっぽけに見えた。オトナの女性になるって、なんだかチョコレートみたい。ほろ苦くて、でも甘い。

ふと、クローゼットの奥にしまっている、ちょっと背伸びして買ったワンピを思い出した。明日、ワンピを着て出かけてみようかな。

少しだけ、知らないわたしに会ってみたくて…。

撮影／今城純 スタイリング／稲葉有理菜（KIND）ヘア＆メイク／福岡玲奈（W）モデル／金川沙耶（本誌専属）