お芝居を始めて素直になれた♡【長濱ねる】の“女優業”への思いとは?
女のコが好きな甘いオーラを放ちながらも、お上品でみんなの憧れの存在である長濱ねるさん。今回はそんなねるさんの、女優業への思いをインタビューしてきました。放送中のドラマの撮影裏話や、今後の目標など、見逃せない情報が盛りだくさんです♡
お仕事についてのエトセトラ
ひとつの作品をつくり上げていく時間は、とても濃密で、私にとってはものすごく幸せなひととき
演者と監督、制作チーム、技術さんなど、みんながひとつのチームとなって取り組むこの仕事。でも、ドラマなら約3ヵ月間一緒にお仕事をしたら解散して、それぞれが次の作品へ移るという。
けっこう特殊な環境に身を置いているなと、自分ごとながら思います。
だから新しい作品に入る前は、いつも転校生みたいな感覚で「新しいコミュニティでうまくやっていけるかな?」と、ちょっと気が重くなることも……。
それでも、いざ現場に行くと、先輩方はもちろん同世代の方でもいろんなお仕事をされている方々のお話を聞けて、勉強になります。
その方たちとひとつの作品をつくり上げていく時間は、とても濃密で、私にとってはものすごく幸せなひとときなんです。
放送中の連続ドラマ『若草物語ー恋する姉妹と恋せぬ私ー』では、いつかご一緒してみたいなと思っていた同世代の女優さんたちと共演させていただいて、すごく幸せです。
堀田真由さん、仁村紗和さん、畑芽育さん、それぞれお芝居へどんなアプローチをされるのか、そばで勉強させていただくという気持ちで撮影に臨んでいます。
みなさんとっても気さくで、やさしくて。四姉妹という役柄もあってか、心の内を素直に話せる関係になれて、すごく居心地がいいんです。やっぱり人との出会いは財産だなと感じています。
お芝居を始めたことで、自分の感情に素直になれた
お芝居を始めてから、やめたことがひとつあります。それは、感情の省エネ。昔は事務所の方に「なんで思っていること言わないの?」とよく言われていたくらい、感情が表に出ない生活をしていました。
そんな私も、お芝居で誰かの人生を視聴者の方に届けるってなると、喜怒哀楽は人に見えたほうがいいからと、いろんな感情にいて考えたり調べたりしているうちに、心に素直に生活してみようって思い始めました。
そしたら、緊張するとこんなふうに手がこわばるんだとか、今まで知らなかった自分の反応にも気づけて。
本当にひとつずつですが、お芝居をしていくにはどうしたらいいか考えながら進んでいっているところです。
自分の感情をシンプルに出せるようになってきたら、普段の生活でも友だちとお酒を飲んでカラオケに行くのが楽しいなって感じるようにもなりました。
気持ちを伝えるって大変なことだけど、すごく尊いことだと思うので、喜び以外の感情であったとしても出せるようになってよかったなと、女優としてだけではなく、ひとりの人間として思っています。
女優の仕事をするうえでの指針。そしてひとつの夢
今、女優の仕事をするうえでの指針となっているのが、俳優の先輩にかけていただいた「準備はしっかりして、本番では全部忘れる」という言葉です。
その場の感覚で芝居する方もたくさんいらっしゃるんですけど、私はまだその段階には行けていません。
1シーンずつ台本を何度も読み返して、ここはどういう感情なのか読み解いてから現場に向かって
います。
その上で、本番ではまわりの役者さんと演じながら感じたこともプラスしていくようになりました。今でもいただいた言葉を大事にしながら、お芝居を続けています。
今は、ひとりの女優としてたくさんの方々と一緒に作品をつくる過程がとっても楽しくて、そうやって生まれた作品が誰かの生活のお供になっているのであれば幸せです。
一方で、いつか女優とは違うアプローチで人になにかを伝えられるようになれたらいいなとも思っていて。
ひとつの夢が、本屋さんを開くこと。
私も好きな児童書を通して、子どもたちと触れあう仕事ができたらいいなと、そのような未来も思い描いています。
長濱ねる
ながはま・ねる●1998年9月4日生まれ、長崎県出身。放送中のドラマ『若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―』(日本テレビ系)で町田家の三女・衿を好演。
女優のほか『離島で発見!ラストファミリー』(NHK総合)のMCレギュラーなど、マルチに活動中。
撮影/三瓶康友 スタイリング/八木下綾 ヘア&メイク/風間裕子 取材・文/政年美代子