「公私ともに心の支えになる人は、みんなRayで出会ってる」【鈴木愛理】が今考えることとは?
21才から30才、鈴木愛理の20代はRayとともにあった。「ホームと呼べるかけがえのない場所」と明かす愛理の卒業を記念して、モデルとしての9年を語るロングインタビューを実施しました!年令もRayモデル歴も1番上のエース・鈴木愛理が今考えることとは?
ホームと呼べるかけがえのない場所
大学を卒業し、グループも解散。自分の居場所が立て続けになくなるのは、誰だって不安。もちろん愛理だってそう。そんなとき、唯一私に残ったホーム
「本当にRayしか戻れるところがなかったんですよね。『おかえりー』といつも通り迎えてくれる場所が。
撮影で顔なじみのみんなに会えると、それだけで安心を覚えた記憶がすごくあります。
今では大親友の(岡崎)紗絵と仲よくなったのもその時期で、Rayの撮影のあとみんなでゴハンを食べる時間ができたりして、急速に仲が深まっていったんです。
スタイリストさんやヘア&メイクさんにしても、Rayの枠を超えて公私ともに心の支えになってくれる人たちは、みんなRayで出会っているんです。
わりと狭い世界でこぢんまりとしがちな性格だけど、外の世界に連れていってくれるというか。しかも、その社交の場がすごくクリーン(笑)。
派手な遊びをするようなコがいないし、ゴハンの場で急に知らない人が合流するようなこともなく、ただただ安心できて楽しいっていうありがたい環境。
それに同じ業界で仕事をしていても、感覚が似ていたり、同じような熱量で仕事に向かっている人とはなかなか出会えかったりする。
また、Rayモデルと俳優、Rayモデルとタレントというように、みんながRayという共通項がありながら別々のジャンルで戦っているのもいいバランスなのかなと思います。
よくインタビューでも話してるんですが、私、メンバー以外で昔からの長いつきあいの友だちがいないんですよ。
予定はないのに結婚式の友人代表のスピーチは誰がやってくれるんだろう?とあれこれ悩んできました。
もはや今となっては、心当たりのある友人がたくさんできて、誰に頼めばいいかな?と思えるくらいになった」
真面目で愉快で、屈託のない人柄。サービス精神がある上に、察する力に長けていて、大げさではなく出会うものみな推しにする。卒業プロジェクト最終号の撮影には、この9年間で出会ったスタッフがこぞって駆けつける事態に
「サプライズでスタジオに来てくれるスタッフさんたちの中には、初の武道館ライブのときのグッズTシャツを着てきてくれたりして、みんな本当にあったかくてうれしかったです。
Rayといえば着回し企画ということで、久しぶりに1日かけてロケをして、ページの中には私が思う“あるある”を詰め込んでみたり。
過去の企画をオマージュしたカットもあれば、お世話になったスタッフさんたちにもたくさん登場してもらいました。もっとお礼を伝えたい人もたくさんいるけれど、それ以上にいろんな人に再会できて感動しています。
卒業号でこんな誌面見たことないっていう内容にできたらいいなと思い巡らせていたら、初めての打ちあわせのときは会議室で号泣しちゃったんですよ(笑)。
でも、実際に卒業企画がスタートしてみると実感が湧かなすぎて、『久しぶり!』『やばーい』『楽しい!』とあっという間に時間が過ぎていく」
私、1番上の先輩なんだ!その瞬間は突然、訪れた
「Rayって先輩後輩の関係が厳しくなくて、モデル同士がすごく仲がいいのが特徴なんですよね。
とはいえ長くいれば、だんだんと私も先輩になっていくわけで、ふと気づいたときには年令もRayモデル歴も1番上になっていたんですよ。多少、心にのしかかるものはありました。
ところが、あるとき大学生の着回し企画で、私よりも年下のコが私より年上の役をやっていて、私が大学2年生っていう設定のときがあったんですね。
そこで、『あ、あたしの立ち位置ってここなんだ』と気づけたんです。大人になるとRayの中でもカジュアルなページがメインになっていくのが流れだったけれど、私はいつまでたっても可愛らしい着こなしを求められる。
だったら逆に、いつまでも可愛いものを着られるように若くいようっていうモチベーションになったんです。
求められるのであれば大人にならなくてもいっか、って。Rayの服がずっと似あう自分でいよう!というのが最近のコンセプト。
花柄のスカートも首まわりがふわふわのコートも、老け込むと一気に似あわなくなっちゃうんですね。この2着を着られるようにがんばっていました。
この10年で髪を短く切ることもなかったですね。Rayっぽくないかなと思って」
いわゆる赤文字といわれるRay。ここ数年は、ファッションも多様化して、ジャンルの垣根も昔ほど明確ではなくなってきた。その中で、Rayらしさをどんなところに見出していたのか
「トレンドは変わっても、やっぱりRayは髪が長くてふわふわしていて、上品で大人な女のコというイメージ。
つばの大きめな帽子をかぶったり、デニムをはいてもどこか女らしさが香る。刷り込まれている部分も多いですが、撮影のときにもなるべく肌が見えないようにポージングを工夫したこともありました。
この数年で、雑誌のコンセプトも変化してきて、背中が大胆にあいている衣装が用意されることもあって、『ガッツリ肌が出てますけど、大丈夫ですか?』とあの頃を知る自分が顔を出しちゃうことも。
そんなふうにドギマギした時期を通り過ぎて、今となっては昔も今もどっちも好き」
愛理のSNSのアイコンは、Ray2019年4月号の表紙の写真。変わらずにこの写真を使い続ける理由がある
「まずは、アイコンをコロコロ変えたくないっていう理由。目に飛び込んでくる印象で覚えている人もいると思うので。
1番大きな理由は、シンプルにこの写真が大好きだったのと、アーティスト、俳優、モデルといろんなお仕事をさせてもらっている中で、すべてのジャンルに共通する表情だなと思ったから」
撮影/女鹿成二 スタイリング/杉本奈穂(KIND) ヘア&メイク/室橋佑紀(ROI) モデル/鈴木愛理(本誌専属) 取材・文/長嶺葉月