【実話恐怖体験】禁忌を犯した友だちに起こった恐怖体験
今回は専門学生のNさんが実際に体験した、背筋も凍る怖いお話をご紹介。暑い毎日にひんやりとしたお話をどうぞ……。
専門学校の仲間で心霊スポットへ行くことに…
授業終わり。自主的に残って勉強をし、すっかり辺りも暗くなった頃、Aが「みんなで学校近くの心霊スポットへ行かないか」と言い出しました。
授業後に残っていたのがA、B、そして私の3人。ちょうどBが車で登校していました。
3人なら車にも乗れるし、今からみんなで行こうという話になったのです。
私は怖がりなタイプなので、最初は断りましたがAくんのノリの良さに負かされ、渋々行くことになりました。
着いたのは祠がある場所
私はどんな心霊スポットなのか知らなかったので、「心霊スポットに行こう」と言い出したAくんにどんな場所に行くのかと尋ねました。
Aくんは「幽霊がよく出る祠に行く」と答えました。
その祠の前に髪の長い女の人が……という、よくある話があるようです。それを聞いて私は「なんだ、大したことないじゃん」とホッとしました。
車を走らせ、祠のある場所に到着しました。細い山道の奥にうっすらと鳥居が見えます。その奥に祠があるようでした。
車を降りると、その日は真夏日だったのに空気がひんやりしていました。夜とはいえ、夏には考えられないような寒さで、少しゾッとしたのを覚えています。
その瞬間、私のなかの本能が『行ってはいけない場所』だと感じ取りました。
「ねぇ、行くのやめようよ」
私がそう言うと「なんだよ。ビビってんのか?」とAが挑発してきます。
「なんか……すごく危ない予感がする。本当にやめたほうが良いって!」
Aはため息をつきながら「ノリ悪いな〜。じゃあ車で待ってろよ。俺らは行ってくるから」と言い残し、2人はスタスタと歩き出しました。
「ちょっと……!」
こうして私は、車で1人待つことになったのです。
禁忌を犯してしまったA…
15分ほど経つと、2人が戻ってくるのが見えました。しかし、遠くから「お前、本当にヤバいって!」とBの大きな声が聞こえてきます。
なにかあったのかな?取り憑かれたとか?幽霊を見たとか?
私はこの一瞬でいろんな想像が頭を駆け巡りました。
2人が車に戻ったので、「さっきBの声が聞こえたんだけど、なにかあったの?」と聞くと
「Aが祠を蹴ったんだよ。」とBは言いました。
話を詳しく聞くと、特に怖そうな場所ではなくただの祠しかなかったそう。
それを知ってつまらないと感じたAは、なんと「なんだよ、つまんねーな」と言いながら祠を蹴ってしまったのだそうです。
それを聞いた私も思わず「さすがにまずいんじゃ……」とつぶやきました。
Aは「なにもなかったし、大丈夫だって!つまんなかったな〜。あ!Bの家で飲み直そうぜ!」と陽気なままでした。
そのままBが運転席、私が助手席、Aが後部座席に座る形で車を走らせました。
Aの様子に異変が…
「とにかく、なにもなくてよかったね」と私が話すと、Bは「確かに禍々しい雰囲気はあったけど、実際行ってみたらそうでもなかったな」と答えました。
その間、おしゃべりなAにしては珍しくずっと黙ったままでした。
気がつくと、ずっと下を向いて俯いているようでした。バックミラー越しにAを見て、おかしいと思ったBが「Aどうしたんだよ」と話しかけると、Aが突然……
「あはははははははは!」
と甲高い声で笑い出しました。明らかにAではないような声でした。
「どうしたんだよ、お前!しっかりしろ!」
Bが声をかけても、Aはずっと笑い続けます。私は驚きのあまり、声が出ませんでした。
Aは目の焦点が合わない状態で、斜め上を向いて笑っています。
このまま飲みに行くわけにもいかず、私とBはAを家まで送り届けることに。Aの家の前まで着き、Aを車から下ろしました。
「家に着いたよ」と声をかけても、ひたすら笑い続けるA。
とりあえずAを無理矢理玄関に押し込み、家へ入ったことを確認して、私たちは帰宅しました。
Aの母から驚きの電話が…
翌日、一件の電話がかかってきました。
電話を取ると、Aの母でした。昨日、私とBがAと一緒にいたことを知って電話をかけてきたのだそう。
Aの母は、なんと送り届けたはずのAが家に帰ってきていないと言うのです。
私はAの母に心霊スポットへ行って様子がおかしくなったと正直に言えませんでした。説明しても信じてもらえないと思ったからです。
それからというものの、私は遊び半分でも心霊スポットには絶対行かないようにしています。
その後、Aが見つかったのか私はまだ知りません。