No.17「ニコチン女子」を分析!
つかの間、彼女は自分勝手になり、『自由』になる。
誰にも邪魔されず、気を使わず物を食べるという孤高の行為。
この行為こそが現代人に平等に与えられた、
最高の『癒し』と言えるのである。
(※孤独のグルメより引用)
一見普通に見える女子も、実はいろんなコンプレックスやプライドを持って生きています(よね?)。そのプライドの高さ故…コンプレックスの大きさ故…ちょっと「なによコイツ!」と思われるような方向に発酵してしまったのがここで紹介する女子たち。実は結構周りにいるのかも…?
発酵女子とは?
【ある特定の人物や周囲からよく見られたいという願望をうまく表に出せず、考え倦ねている間にそれを自らの中で消化できずに発酵させてしまった女子のこと。ストレートな感情表現を苦手とし、周囲にむけて屈折した何らかの自己アピールを送り続ける。または、一周してドストレート発言をしてしまうことも。発酵してしまうタイミングは人によって異なるが、自分に強いコンプレックスを持っていたり、理想が高い場合が多い】
そんな発酵女子の発酵菌を明らかにし、解決していくこのコーナー
DJあおいさん(以下:あ)
「さあ、発酵女子を分析していくわよ」
イラストレーター ツボユリ(以下:ツ)
「よろしくお願いします!」
※今回も研究者気取りでお送りしていきます
いるい…密かにいる〜! このタイプは早いうちからファッション感覚でタバコを吸い始めたものの、最近では喫煙場所も限られ、この禁煙社会において色々なストレスを溜め込んだあげく、それをまたタバコで解消。さらに周囲からの「”まだ”タバコ吸ってんの?」という言葉に取り残された感覚を味わいつつ日々を過ごしているタイプ。どことなく何かを諦めたようなニュアンスでの会話をするのが特徴です。
あ「かわいそうに」
ツ「本当に最近、喫煙スペースって限られてますよね〜。前までは外で喫煙している女性は結構いましたけど…今は本当に見掛けないというか」
あ「いるにはいるんだけど表に出てきにくいわよね。今もし女子会でカフェに行ったとしても、みんな禁煙席に行くじゃない? そんな中1人タバコ吸うって無理よねぇ」
ツ「そうか…女子のグループ行動にも支障をきたしてしまう可能性もあるんですね」
あ「タバコを吸ったあとにそのまま戻ると”クサイ”って言われたりもするし。会社や取引先関係にそう思われないように…とか色々あるわよね、特に女性の喫煙者は」
ツ「ああ〜本人の憩いの場がどんどん無くなっていきますね」
あ「吸いたいときに吸えない…それでまた彼女のストレスは溜る一方」
ツ「彼氏とは喧嘩、まわしっぱなしの洗濯物」
あ「コンビニ弁当と地獄の9連勤…タバコを吸わない人との食事やお茶は禁煙席でひたすら我慢、スタバにもいけず、ランチやってる居酒屋にも居場所はない」
ツ「四面楚歌、か…」
あ「そんな日々を乗り越え、吸った一本のタバコはまるで一蘭のラーメン」
ツ「い、一蘭!?」
あ「そこは上司や友人に何も言われることのない閉鎖的空間。人間関係や周囲の環境に疲れた心理状態でも無表情のまま癒されることの出来るオアシス…。味の濃さ、トッピング、麺のかたさまで”本来の自分”の意思に忠実に動くことができる。それはさながら喫煙所で1本のタバコを取り出すまでの無駄の無い熟練された動き…」
ツ「ええと」
あ「この空間で考えることは普段の生活の不満や誰かの陰口ではなく、ただひたすらに、この後やってくるであろう自分好みの味への期待感のみ」
あ「口に入れた瞬間の塩加減、油のこってり度など、閉鎖された空間だからこそ感じることの出来る繊細な味わい。それは自分が今どのくらい疲れているのかをはかる大事なバロメーターでもある…」
あ「そして何と言っても食べ終えた後の幸福感。先ほどまでの苛立った気持ちはどこかに消え、周囲からコントロールされていた気持ちから、自分自身をコントロールできたような気持ちの変化に安堵する」
ツ「あのぅ」
あ「つまり…人にはそれぞれストレス発散方法があるってことよ…」
ツ「と、言いますと」
あ「そもそも納得いかないのよ。同じストレス解消方法でもタバコを吸う女子より、甘〜いカップケーキ食べてる女子がチヤホヤされるという事実」
ツ「ああ〜。可愛いもの食べてると可愛くみえますよね」
あ「そして平然とした顔で”え〜タバコは毒だよっ”とか言うじゃない。じゃあ君の食べているそのコッテリスイーツは毒ではないのかい?」
ツ「タバコと同レベルの毒かはわかりませんが、それでニコチン女子にだけ辛くあたるのは確かに少し棚上げ感があるかもしれませんね〜」
あ「そうそう、ニコチン女子ばかりが孤立した空間にいるのはおかしいわよ。人より多く税金払ってんのに申し訳なさそうに喫煙所行ってさ。4年付き合ってる彼氏とは朝から些細なことで喧嘩してさ。洗濯物はまわしっぱなし、冷蔵庫にはコンビニ弁当でさ」
ツ「だから具体的だなオイ」
あ「普通なら他に怒りをむけてもいいところだけど、ニコチン女子は普段から肩身の狭い思いをしながら生きているから、どうしても罪悪感が勝っちゃってストレスをうまく外に発散出来ないのよね」
ツ「そうか〜 なんだか可哀想になってきました…」
あ「そもそも、”タバコ”とか”喫煙所”が悪いイメージだから肩身が狭くなってるのかもね。何かちょっと言い方を変えるとかしてみたらどうかしら」
ツ「言い方ですか」
あ「一服後にファブリーズをシュシュっとして持ち場に戻る…」
ツ「白いモヤ…霧の中…か」
ツ「なんか更に闇が深いな」
あ「でもそうやって言葉を変えていくのはアリかもしれないわよね」
ツ「は、はい!!」(なんだ…? ラーメンのことしか頭に残らなかったぞ…?)
これでいいのか連載…
(手記はここで終わっている)
~今回の助言~
あ「悩める”ニコチン女子”のみなさん。あなたを救うのはズバリ”話術でのりきる”ことよ。もちろんそのまま“タバコ吸ってくる“っていうのもサッパリしてていいんだけど、小言を言われがちで、それを嫌に思っているんだったら正直に言わなくても良いんじゃないかしら? そこでバレバレでも何らかの嘘をついたり、ジョークを言ったらまた会話も明るい方に広がるかもしれないしね。」
ツ「ありがとうございます!!」
【ニコチン女子カルテ】
今回お話をお伺いした方…DJあおいさん
謎の主婦、恋愛アドバイザー。Twitterで独自の恋愛観を綴り、一般人としては異例のフォロワー約20万人! ブログ「DJあおいのお手をはいしゃく」は月刊500万PVを誇る。著名人のファンも多く、幅広い層から支持されているが、その素性はいまだ謎のまま。
DJあおい公式サイトDJあおいのお手をはいしゃく http://djaoi.blog.jp/
DJあおい×イラストレーターツボユリの発酵女子診療録(カルテ)
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