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【松井愛莉】23才という若さでRayモデルを卒業する理由とは?

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【松井愛莉】23才という若さでRayモデルを卒業する理由とは?
16才でRayに初登場してから約7年。10代後半から20代前半を、ともに成長してきた『松井愛莉(まついあいり)』が、Rayを卒業。「最後はRayらしく笑顔で、そして私をぜんぶ見せたい」。そう語っていた彼女の思いを形にできるよう、ガーリーな世界観の中で語る、卒業についてのロングインタビュー。

Rayを卒業する今、思うこと

2013年から7年余り。あどけなかった末っ子も気がつけばキャリアを重ね、モデル、女優として活躍する現在。卒業に至る決意、これからのこと、愛莉らしく語ってくれました。

実感がないまま迎えた最後。なのに思いがけず涙が溢れた

―愛莉もそうだし、スタッフのみんなも、最後の撮影もいい意味でいつもとおんなじ。真剣に撮影しながら、合間には愛莉が身長3メートルくらいに見えるアングル(笑)を狙って隠し撮りして遊んでみたり......。

「そうなの(笑)。撮影中はいつもと変わらない日って感じで、緊張して前日眠れないってわけでもなかったし。自分で決めた卒業なのに、自分でも『私、本当に卒業するのかな?』なんて最後の最後まで実感しないままでした。

ところが撮影が終わって、お花やケーキ、プレゼントでお祝いしてもらったときに、やっと『あ、これ本当なんだな』って一気に寂しさが押し寄せて、涙と鼻水が止まらなくなっちゃった。周りを見たら、さっきまでゲラゲラ笑ってたみんなも泣いちゃってて、それでまた泣けちゃって。16才でRayに登場して、この7年間ずっと一緒にお仕事をしてきたから......一回泣いたらもう止められなかったです」


―今、23才。年令的にはまだまだRay世代ど真ん中なんだけど、卒業という道を選んだのはなぜ?

「きっかけはひとつじゃなくて、いろんな要素があったと思います。年令は若いかもしれないけど、Ray㋲としてのキャリアは現役だと一番長いし、それに加入した以上卒業はいつか必ず訪れると常に考えていたから、だったら前向きに自分の考えたタイミングで舵を切っていきたいなって。

具体的に卒業を考えたのは1年ちょっと前だったと思います。マネージャーさんと相談して、編集部とも調整して、なんとなく卒業の目安を1年後に決めて。情勢が変わったこともあって多少のズレはあったけれど、納得のいくカタチ、タイミングでした。それに23才って、世間でいったらちょうど新社会人の年令ですよね。ほかにも、『長く居座ってたら後輩のみんなはどう思うのかな?』とか(笑)。そんなことも考えてたなぁ」


―23才のお局(笑)。いろんな要素があるといってたけど、その中でも一番大きなきっかけって愛莉的になんだったと思う?

「現実が見えたこと、だと思う。ティーン誌を卒業してから、Rayと出会って、専属モデルにしていただいて。私にとって本格的なモデルのキャリアはここがスタートだったんですね。入った当初は、圧倒的な象徴として香里奈さんがいて、今井(今井りか)さんや泉(泉里香)さん、鹿(鹿沼憂妃)さんが活躍されていて、大人の女性たちの中にポンッと子どもが入った状態だったんです。大先輩やスタッフのみなさんが、末っ子の私を育ててくださったから、Rayは仕事場だけど同時に心が落ちつく場所になっていったんです。

やさしいけど甘くはない、そんな環境で、自分でいうのも変だけど、本当に大事に育ててくださったなって。高校卒業など節目のタイミングには特別企画を作ってくださったり、二十才のときにはスタイルブックを発売してもらったり。でも、これって当たり前のことじゃないんだなってことにも気づくようになったんです」

このままでいいのかな?どこか自分に甘えを感じた

―スタイルブックの撮影もニューヨークだったし、そのころから海外のコレクションに足を運ぶ機会も増えていったよね。

「まさに世界がバーッと広がっていった時期でした。以前はモデルをやるならば、ランウェイを歩くショーモデルに憧れてて。今も憧れはあるけれど、海外で活躍するショーモデルを目の当たりにして、シビアな現実も同時に突きつけられたんですよね。

ショーに出るには身長が足りてないし、コミュニケーションをとれるほど英語力もない、現地のエージェントと契約、熾烈な競争だってある。憧れをカタチにするまでにはたくさんの努力が必要だし、運も必要なんだなって。あきらめる、というよりは目が覚めたんだと思います。より具体的に、じゃあ私ができることってなんだろう?と頭が切り替わっていったんですね。

改めて仕事について振り返ってみると、Rayの現場は楽しいし大好き。映像のお仕事でどんなに忙しくてもここにくるとホッとできる。でも、もしかすると、それってイコール甘えになるのかなぁって。20代の今は、もっとピリッとしたり、ひりひりした場所に身を置かないといけないんじゃないかなと思うようになったんですよね」


―居心地のいい場所にとどまっているほうが不安、みたいな?

「いつもの場所があって、いつものみんながいるってすごく心強い。ほかの仕事でヘロヘロになってもエネルギーをチャージできるというか。でも、それをゆくゆくは誰の手も借りずに、自分の力でできるようにならなきゃいけないよねって。それこそずーっとRayに居座るわけにはいかないから(笑)。居心地のよさに甘んじてしまうのはプラスではないし、新しい環境に飛び込むんだったら早いほうがいいと思って決断したんです」


―愛莉はモデルと同時に、女優業も両立してきたけど、女優業のほうはどうとらえてるの?それこそ昔はどちらかといえば、“後ろ向き”な印象だったけど。

「昔は本当に後ろ向きだったと思う!でもね、ここ数年は、後ろ向きがちょっとずつ横向きになって、今は前向き寄りになれてる。芸歴=モデル歴だからこそ私はモデルの仕事を愛してるし、プライドも持ってやってきたつもり。でも女優業は軸といえるほど自信が持てなかったのね。

オーディションに行けば必ず落とされるし、辛い修業というか。それでも、今までにコンスタントに映画やドラマのお話をいただけて、女優業もキャリアといえるくらいの経験を積ませてもらえた。私としては、モデルへの思いが強いけれど、客観的にとらえるとモデルと女優の両軸で歩んでいる。歩いてきた道をちゃんと認めてあげたいと思えたし、これからの道をより精度を高めていきたいなって。

きっと初めて主演映画(『癒しのこころみ~自分を好きになる方法~』)を経験したことも大きかったと思います。撮影が始まる前までは、あまりの責任の重さに現実逃避していた部分もあったけれど。ステイホーム期間で2カ月まったく仕事をしない生活をしていたら、自分でもびっくりしたんですけどお芝居したいなって思ったんですよ。今まで気づかなかった欲求が女優業の後押しをしてくれてます」

後編に続く

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Photograph :JUN IMAJOStyling :NOZOMI SHIROTA(KIND)Hair&Make-up :HITOMI KAWASAKI(PEACE MONKEY)Model :AIRI MATSUI(exclusive)Text :HAZUKI NAGAMINE Flower Arrange :EMIKO IBUSUE(Épi flower arts)

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